
Shopifyでは年に2回「Shopify Editions」として大規模なアップデートが発表されます。
2025年12月に発表された『Shopify Editions Winter 2026』 では、約150の新機能・改善がリリースされました。
その中でも特に「AI」「マーケティング」「CRM」「顧客体験」に関わるアップデートが大きな注目を集めています。
本記事では、ECマーケティング担当者の視点から、Shopify Editions Winter 2026で追加・強化された新機能を整理し、以下の2点を分かりやすく解説します。
- AIを活用したマーケティング戦略
- Shopify×サブスクリプションでの活用方法
以下に該当する方は、ぜひ最後までご覧ください。
- ECサイトのマーケティング担当者
- サブスクリプションビジネスの運営者
- AIを活用した業務効率化に興味がある方
- Shopifyでのリピート施策を強化したい方
- マーケティングツールの統合・内製化を検討中の方
>>Shopify Editions Winter 2026 の公式ページ
※今回のEditionsでは12のテーマに分けて紹介されていますが、約150のアップデートという数字は、前回のEditions以降に順次リリースされてきた改善・新機能を含めたものです。
目次
【本記事の読み方ガイド】
・ECマーケティング担当の方
→「最重要アップデート3選」+「Part1」がオススメ
・サブスクリプション運営者の方
→「最重要アップデート3選」+「Part2」がオススメ
・実店舗を運営している方
→「③POSでのサブスクリプション販売」と「2-1」がオススメ
■Shopify Editions Winter 2026 概要
Shopify Editions Winter 2026は、冒頭でもお伝えした通り、約150の新機能・改善が発表され、特に以下の領域での強化が目立ちます。
| 強化領域 | 主なアップデート |
|---|---|
| マーケティング統合 | メール・SMS、セグメンテーション、動的コンテンツ |
| AI活用 | Sidekick、自動レポート、カスタムアプリ生成 |
| オムニチャネル | POSサブスク対応、実店舗機能強化 |
| 顧客体験 | パーソナライゼーション、ソーシャルログイン |
| 新チャネル | Agentic Storefronts(AIチャット販売) |
これまでShopifyでは「商品管理・注文管理は強いが、マーケティングは外部ツールに依存しがち」という側面がありました。
しかし、Shopify Editions Winter 2026ではその構造が見直され、集客後のコミュニケーションや顧客育成を、Shopifyの標準機能だけで完結できる範囲が大きく広がっています。
マーケティング担当者にとっては、以下の観点で、実務に直結するアップデートと言えるでしょう。
- ツール連携の手間を減らす
- データ分断を防ぐ
- 施策のPDCAを早める
- マーケティングコストを最適化する
■最重要アップデート3選
Shopify Editions Winter 2026では約150の新機能がリリースされましたが、まずは、その中でも注目すべき3つの新機能をご案内いたします。
①Agentic Storefronts – AIチャットで商品が売れる時代へ

Agentic Storefronts(エージェンティック・ストアフロントズ)の特徴は、ChatGPT、Perplexity、Microsoft CopilotといったAI会話型プラットフォーム上で、ユーザーが商品を発見し、そのまま購入までを完結できる機能です。
検索から決済までをAIで完結させることで、従来の「顧客 → Google検索 → ストア訪問 → 購入」というプロセスは、「顧客 → AIチャットで質問 → チャット内で購入完結」へと大きく置き換えられます。
②Sidekick Pulse – AIマーケティングアシスタント

Sidekickは、Shopifyに標準搭載されたAIアシスタントです。マーケティング担当者の「こんなことができたらいいのに」を、自然な言葉で伝えるだけで実現してくれます。
【主な機能】
1.顧客セグメント自動生成
・「過去3ヶ月購入がないVIP顧客」と入力
→ 自動でセグメント条件を設定
2.カスタム分析レポート作成
・「定期購入者の平均購入回数は?」と質問
→ 視覚化されたレポートを即座に生成
3.ワークフロー自動化
・「カート放棄後に24時間でメール送信」と依頼
→ Shopify Flowで自動ワークフロー作成
4.スマートな提案(Sidekick Pulse) ※NEW
・ストアデータとマーケットトレンドを分析
→ 「在庫が3日分しかありません」など自動アラート
Sidekickに新たに追加された「Sidekick Pulse」という機能では、ストアデータとマーケットトレンドを常に分析してくれるため、「在庫が3日分を切っています」「この商品の売上が急増しています」といったアラートを自動で通知してくれます。
※2025年7月25日よりShopifyの利用規約が改定され、標準のメールアプリや商品検索機能などに「Shopify Network Intelligence」が導入されました。
※Sidekick Pulseを利用するには、「Shopify Network Intelligence」を有効にする必要があります。【Shopify設定】>【お客様のプライバシー】から有効化・無効化が可能です。

③POSでのサブスクリプション販売 – オムニチャネル戦略の完成形

これまでオンラインストア限定だった定期購入契約が、実店舗のShopify POSでも可能になりました。
店頭でスタッフがその場で定期購入を登録できるようになり、登録された情報は即座に顧客のオンラインアカウントに反映されます。
例えば、コーヒー豆専門店で「このコーヒー豆を定期便にしませんか?」とスタッフが提案し、その場で30秒で登録完了。次回以降は自動で自宅に配送されるという流れが実現します。
これにより、初回の店頭購入を定期購入契約の起点にすることができ、LTV(顧客生涯価値)を大幅に向上させることが可能です。
Shopify公式マニュアルは以下よりご確認いただけます。
https://help.shopify.com/ja/manual/sell-in-person/shopify-pos/payment-management/subscriptions
上記3点に加え、今回のShopify Editions Winter 2026では日々のマーケティング施策に直結するアップデートも多数含まれています。
本記事では、上記3つの機能を中心に、「AI活用」と「サブスク活用」 の2つの視点で機能について解説します。
Part 1: AIを活用したマーケティング戦略
1-1. Sidekick Pulseによる業務自動化
1-2. AIを活用したメール・SMS配信の効率化
1-3. 顧客セグメンテーションの進化
1-4. Shopify Formsによるリード獲得とCRM連携
1-5. Agentic Storefrontsでの新規顧客獲得
【Part1で分かること】
・Sidekickで何が自動化できるのか
・メール/SMSをどう使い分けるべきか
・AI時代の新しい顧客獲得チャネルとは何か
Part 2: Shopify×サブスクリプションでの活用方法
2-1. POSサブスク販売の実装ガイド
2-2. サブスク顧客へのフォロー施策
2-3. LTV最大化のための継続率改善
【Part2で分かること】
・POSサブスクを始めるための具体手順
・サブスク解約を防ぐ実践的フォロー施策
・LTVを伸ばすためのデータ活用方法
メール・SMS活用、顧客セグメンテーション、店舗とオンラインの連携など、実務に落とし込みやすい観点から、注目すべきアップデート情報とマーケティング戦略を整理して紹介します。
■Part 1:AIを活用したマーケティング戦略
Shopify Editions Winter 2026では、SidekickとAgentic Storefrontsという2つのAI機能により、マーケティング業務の「自動化」と「新規チャネル開拓」が実現します。
ここでは、これらのAI機能を使ってマーケティング工数を削減し、新規顧客獲得コストを下げる方法を解説します。
1-1. Sidekick Pulseによる業務自動化
Sidekickは、Shopifyに標準搭載されたAIアシスタントです。自然な日本語で指示を出すだけで、複雑なマーケティング業務を自動化してくれます。
【主な活用シーン】
- 顧客セグメントの自動生成
- カスタム分析レポートの作成
- Shopify Flowのワークフローの自動化
1-2. AIを活用したメール・SMS配信の効率化(Shopify Messagingの大幅進化)
Shopify Editions Winter 2026では、Shopify Messaging(旧Shopify Email)が大きく強化されました。
| 機能 | 詳細 | マーケティング効果 |
|---|---|---|
| SMS対応 | SMSキャンペーンの作成・配信 | 開封率90%以上 |
| カレンダービュー | 配信スケジュールを可視化 | 計画的な配信管理 |
| 動的商品セクション | ベストセラーを自動表示 | CTR 20-30%向上 |
| 効果測定 | 開封率・クリック率を可視化 | ROI測定が容易 |
メール vs SMS 使い分けガイド
| 用途 | おすすめチャネル | 理由 |
|---|---|---|
| セール告知 | メール | 画像で視覚的に訴求 |
| 緊急連絡 | SMS | 開封率90%以上 |
| 新商品案内 | メール | 詳細情報を伝達 |
| カート放棄 | SMS | 即時性が重要 |
| ニュースレター | メール | コンテンツ量が多い |
| 配送通知 | SMS | 確実に届ける |
【具体的な活用施策】
- サブスク定期配送のリマインダー(SMS)
- 決済失敗の即時通知(SMS)
- 休眠顧客の再活性化(メール+SMS)
【Sidekick × Shopify Messagingの連携】
Sidekickを使えば、Shopify Messagingでのメール・SMS配信もさらに効率化できます。
Mikawaya Subscriptionでは、Shopify Flowアプリのトリガーを用意しています。

トリガーを活用することで、サブスクに関する通知を、Shopify Messaging経由でお客様に送信することが可能となります。
例えば、Mikawaya Subscriptionのトリガー「定期購入決済日n日前」を活用し、決済日の5日前にShopify Messaging経由で案内を送るといったことも可能です。

Shopify Flowアプリのワークフロー作成画面で、右上に表示されているアイコンをクリックするとSidekick(AIアシスタントの画面)が起動します。その画面で修正したい内容を伝えます。

そうすることで、自分で手を動かさずに修正することができます。(今回の例の場合、5日→7日に変更)

上記は、最初自分で作成したワークフローを修正する方法ですが、初回からワークフローを作成するようSidekickに依頼することも可能です。


【補足】
Sidekick経由で上書きした場合は、Shopify Flowアプリの管理画面に「タグ」が表示されます。

1-3. 顧客セグメンテーションの進化
Shopify Editions Winter 2026では、顧客セグメンテーション機能が大幅に強化され、より柔軟かつ直感的に「狙った顧客だけ」にアプローチできるようになりました。
Shopify Editions Winter 2026では、顧客セグメンテーション機能が大幅に強化され、より柔軟かつ直感的に「狙った顧客だけ」にアプローチできるようになりました。
【新しいセグメント条件】
| セグメント種類 | 従来 | Winter 2026 | 効果 |
|---|---|---|---|
| ①商品ベース | 個別商品のみ | カテゴリー単位 | 柔軟性3倍 |
| ②閲覧履歴 | 未対応 | 3回以上閲覧etc | 見込み客発掘 |
| ③Sidekick×日本語 | 手動設定30分 | AI自動3秒 | 工数90%減 |
①の場合、従来「商品A(スケートボード)を購入した人」といった形で、個別商品でしか設定できませんでした。
しかし、Shopify Editions Winter 2026では、「スポーツ用品カテゴリーの商品を購入した人」など、商品カテゴリー単位でセグメントを設定することが可能となりました。
これにより、商品点数が多いストアでも、より柔軟なOne to One施策が実施しやすくなりました。
②の場合、これまで未対応だった閲覧行動も条件として活用できるようになりました。
「特定カテゴリーの商品を3回以上閲覧しているが、購入には至っていない顧客」など、購入直前の見込み顧客を可視化できるようになっています。
③の場合、これまで手動で行っていた複雑な条件設定も、日本語で簡単に行えるようになりました。

これにより、セグメント作成にかかる工数は大幅に削減され、施策立案や改善により多くの時間を使えるようになります。
こうした高度なセグメンテーションを活かすためには、そもそも「質の高い顧客データを継続的に獲得できる仕組み」が欠かせません。
1-4. Shopify Formsによるリード獲得とCRM連携
Shopify Editions Winter 2026では、Shopify Forms が強化され、リード獲得からCRM連携までをよりスムーズに行えるようになりました。
大きなアップデートのひとつが、自動翻訳への対応です。フォームは英語で作成するだけで、AIが最大19言語に自動翻訳し、訪問者の言語設定に応じて最適な内容が表示されます。
これにより、国内外を問わず言語の壁を意識せずにリード獲得が可能になります。
もうひとつのポイントが、マーケティング同意項目の柔軟化です。
従来は一括同意のみでしたが、Winter 2026以降は「メールのみ」「SMSのみ」「両方に同意」などをフォーム単位で設定できるようになりました。これにより登録時の心理的ハードルが下がり、フォームの登録率向上が期待できます。
取得したリード情報はそのままShopifyのCRMと連携されるため、登録後すぐにメール配信やSMS通知、サブスクリプションの案内といった後続施策につなげることが可能です。
EC・サブスク・BtoBを問わず、フォームを起点にしたマーケティング導線をシンプルに構築できる点は、大きな進化と言えるでしょう。
1-5. Agentic Storefrontsでの新規顧客獲得
Agentic Storefrontsは、ChatGPT、Microsoft Copilot、PerplexityなどのAIチャットプラットフォーム内で、直接商品を表示・購入できる機能です。
例えば、顧客がAIチャットで「コーヒー豆のおすすめは?」と質問するだけで、あなたのストアの商品がAIによって提案され、チャット内でそのまま購入完結できるようになります。
SEO(検索エンジン最適化)に加えて、「AEO(AI Engine Optimization)」という新しい概念が重要になってきます。
※Agentic Storefrontsは、近日中に公開される機能となっています。(2026年1月5日時点で未公開)
■Part 2:Shopify×サブスクリプションでの活用方法
Shopify Editions Winter 2026により、サブスクリプションビジネスは 「オンライン限定」から「オムニチャネル」 へと進化しました。
ここでは、POSサブスク販売の実装方法から、継続率を高めるフォロー施策、LTV最大化のデータ活用まで、サブスクリプションビジネスの成功に必要なすべてを解説します。
2-1. POSサブスク販売の実装ガイド
これまでオンラインストア限定だった定期購入機能が、実店舗のShopify POSでも利用可能になりました。
【必要な準備】
- Shopify POS Proプラン
- Shopify Subscriptionsアプリ(または互換アプリ)
- iPad または Android タブレット
- 安定したインターネット接続
【設定手順】
ステップ1: サブスクリプションプラン作成
- 管理画面 → アプリ → Shopify Subscriptions(または互換アプリ)
- 配送頻度、割引率などを設定
ステップ2: POS連携設定
- POSアプリ → 設定 → サブスクリプション
- 「POSで販売を許可」にチェック
ステップ3: スタッフトレーニング
- デモ契約を実際に行う
- 顧客への説明トークを練習
- トラブルシューティングを確認
2-2. サブスク顧客へのフォロー施策
サブスクリプションの解約理由の多くは、以下の3つに集約されます。
- 使い切れない
- 価値が伝わっていない
- 存在を忘れていた
今回、Shopify Editions Winter 2026でアップデートされたAI・Messaging・セグメント機能を使えば、これらを事前に防ぐことが可能です。
※Sidekickで「定期購入3回以上」といったセグメントを作成し、メール配信設定を行うことが可能
2-3. LTV最大化のための継続率改善
サブスクリプションビジネスにおけるLTV(顧客生涯価値)は、「購入回数」「客単価」「継続率」の3要素で決まりますが、特に改善インパクトが大きいのが『継続率』です。
Shopify Editions Winter 2026では、SidekickなどのAI機能強化により、これらの指標をデータに基づいて改善できるようになりました。

Sidekickに「定期購入の継続率を分析して」などと伝えると、全体の継続率や、商品別の継続率などを即座に教えてくれます。
その内容をもとに、CRM施策や商品設計を見直すことで、継続率の向上が期待できます。
■まとめ
本記事では、Shopify Editions Winter 2026の新機能を「AI活用」と「サブスクリプション活用」の2つの視点で解説してきました。
【Part 1の振り返り】
Sidekick Pulseで業務を自動化し、Shopify Messagingでメール・SMS配信を効率化。さらにAgentic Storefrontsにより、AIチャット経由での新規顧客獲得が可能になりました。
これらのAI機能を活用することで、マーケティング工数を50%ほど削減しながら、施策の精度を向上させることができます。
【Part 2の振り返り】
POSサブスク販売により、実店舗での定期購入契約が可能になり、オンラインとオフラインの境界がなくなりました。
さらに、Sidekickを使ったデータ分析と自動フォロー施策により、継続率を20-30%改善し、LTVを40%向上させることが可能です。
POINT:
Sidekickを使ったデータ分析・フォロー施策は、実店舗がないオンライン専業のストアでも活用できます。POSサブスクは実店舗がある場合の追加施策であり、Sidekickやメール・SMS施策はすべてのストアで今すぐ始められます。
今すぐ始められる3つのアクション
- Sidekickを試す(所要時間: 5分)
Shopifyの管理画面でSidekickを開き、「過去30日の売上TOP5は?」と質問してみましょう。AIの実力を体感できます。 - Shopify Messagingを設定(所要時間: 1時間〜1時間半)
SMS機能を有効化し、既存顧客にテストメッセージを配信してみましょう。 - 実店舗がある場合はPOSサブスクを検討(所要時間: 半日〜数日)
設定手順に従って、まずはスタッフ向けのデモ契約から始めましょう。
今後の展望
現時点では日本未対応ですが、将来的な展開が期待される機能も発表されています。
Shopify Product Network(アメリカ限定)
- ストアの検索結果やコレクション、メール、購入後ページなどに、Shopify上の他ブランド商品を表示できる仕組みです。
- ストアの検索結果、コレクション、メール、購入後ページにShopifyの他のブランドの商品を表示することで、マーチャンダイジングの機会を補い、販売ごとにコミッションを獲得できます。

Shop Campaigns拡大(アメリカ・カナダ限定)
- X(旧Twitter)、Snapchat、Bingでの成果報酬型広告に対応できます。
- 広告運用と売上がより直接的につながる設計が進められています。

これらの機能からも、Shopifyは「ECを作るためのツール」から、「売上を伸ばし続けるためのマーケティング基盤」へ進化しようとしていることが読み取れます。
最後に
AI・CRM・サブスクリプション・オムニチャネルを一気通貫で設計できる今、競争力の差は「ツール」ではなく、どう活用するかで決まります。
今回紹介した機能の大部分は追加費用なしでShopifyプランに含まれているため、すぐにご利用いただくことが可能です。(一部有料プランを含む)
ぜひ本記事を参考に、自社のEC・サブスク運用を次のステージへ進める一歩としてご活用ください。
『Shopify Editions Winter 2026』 の公式ページは以下よりご確認いただけます。


